・豊島

棚田、山、海と、豊かな自然がある豊島。山と海があることから、アップダウンが常に連続する。魚の鱗のように並ぶ民家の屋根には、独特の雰囲気と過去からの連続性を感じる。水に恵まれ、自給して余るほどの農産物が生産されていたという。また、早くから酪農も行われており、潤沢な漁場に恵まれて漁業も盛んで、豊かな島という名称も納得できる。しかし、過去にあった不法投棄事件などの負の遺産化の対象になってしまうのは他の島々も含めた諸島の宿命か。

民家の中に断続的に現れるアートの中に、「島キッチン」はある。これも鱗のような木の断片を組み合わせた、屋根の建築。目線の高さまで迫る屋根は、人が座ったスケールにちょうどいい。











豊島(wikipedia)

・李禹煥美術館、地中美術館 設計:安藤忠雄

瀬戸内海、直島にある2つの大型美術館。他の「家プロジェクト」とは一線を画す。
というのは、両方の美術館は安藤忠雄の美術館の中でも、建築への導入部、本体に特徴がある部類であるからだ。光の美術館のように普通のものとは違うコンクリート打ち放しの壁を通じて入り込む純粋な光と落とされる影、マッスな空間をダイレクトに感じさせる強い幾何学形態とそれらのアート作品との強い共犯関係。直線的で緊張感を富むアプローチ空間は、地下空間に入り込む、一種の原始空間へのリセットとして存在する。そして高い壁のすぐ上には空しかない。李禹煥にしろ、地中美術館ジェームズ・タレルにしろ、安藤なのか作家なのかわからない両者の介在した空間がある。それは既に、サイトスペシフィックアートの一部であり、空間表現なしには成立しない作品となっている。
このアートとの関係性を忠実に設計できているのは今までみてきたホワイトキューブの建築にはまったくない。もちろん、安藤建築の中にホワイトキューブがないわけではない。しかし、アーティストとの関係でここまで親和性に富み、かつ、どちらからの影響で空間の方向性が決まるといったものでもない。安藤建築における、コンクリートの使い方、光、影の使い方があってこそのアート作品であり、アートとの共犯関係あってこその安藤建築である。






・海の駅「なおしま」設計:妹島和世+西沢立衛/SANAA

直島へのフェリーからの来訪者を迎える海の駅。設計はプリツカー賞受賞建築家であるSANAAである。
妹島和世西沢立衛の手がける建築には、極限まで絞られたような鉄の柱、薄い屋根が特徴的に捉えられる。しかし、同じ瀬戸内海のアート作品である中の谷東屋や荒神明香作品展示のためのA邸やS邸とは表現目的が違うのではないかと思う。
単純に捉えれば、この規模で単機能の建築物であるこれらはスペックとしては同じであろうとも、ガラスの使い方が全く違う。今回のこのフェリー乗り場は、正方形グリッドを装い、部分的に壁が存在、多くは柱によって構成されている。佐々木睦郎による構造解析により成立しているこの空間は、「軽さ」でも「主張」でもなく「消去」に近い。所々に設置されている壁は構造的な役割はもちろん、鏡面にすることによって瀬戸内海または直島の自然を映し込ませ、ただただ屋根の下の「空間」のみがある。そこには、チケット売り場やカフェの裏側もガラスによって見えているし、対角線の反対側にいる人も見える。
「フェリー乗り場」という船を待つ機能であるからこそ、この広場に屋根をかけただけの空間が必要になった、そう考える事もできると思う。そしてこの、極細の柱で支えられるように見えるエッジの効いた屋根から窺える緊張感こそ、「旅」という緊張感そのものであるとも受け止められた。









・直島

瀬戸内海一日目。
瀬戸内海の島々は、福武總一郎氏や香川県により、各所にアーティストによる展示を置いたトリエンナーレ会場となっている。高松城のある高松市には、四国の港として、経済の拠点が集まり、文化集積とともに都市としての発展を目指すように見える。瀬戸内の豊かな自然の背景には様々な歴史がある。城跡、近代化と瀬戸内で育まれてきた歴史群は、その全体面積の小ささからも拮抗しているような印象だ。駅前の再開発、歴史的サンクチュアリの融合は地方都市であるからこそ可能なのかもしれない事を感じた。










・ファイナンシャルプランナー一級についてのメモ。

試験日 2013年9月8日(日)
基礎編 10:00〜12:30
応用編 13:30〜16:00
受検願書請求期間 2013年6月3日(月)〜7月17日(水)
受検申請受付期間 2013年7月4日(木)〜7月24日(水)
受検票発送日 2013年8月22日(木)
合格発表日(予定) 2013年10月21日(月)

以下、一級に関してまとめたこと。
【前提】
FP一級と比較される、CFPとは、単純な比較はできない。大きくは民間資格か国家資格か、というところだけ。実施機関はFP一級は金融財政事情研究会、CFPは日本FP協会。
CFPを所有していれば、FP一級の学科試験は免除される。FP一級学科の期限はあるのに対して、CFプァ期限はない。CFPの内容は六科目あり、それぞれに合格していくもの。FP一級は一度に全て行い、トータルの点数を計る。
CFP取得のためにはAFP取得が必須になる上、「CFP=FP一級学科」とみなせることを考えると、最短である一級を一年で(学科合格から一年で3回の実技に合格)を目指すことにした。
また、CFPは、更新が必要な一方で、一級は必要ない。私はFP業務で独立するわけではないので、一級である。

参照テキスト
【問題集】 

FP技能検定1級 精選過去問題集 学科編

FP技能検定1級 精選過去問題集 学科編

有名(らしい)「浮世絵本」と各大項目の問題数が同じ(=他はこれ以下)、解説がわかりやすいことから選択。
【参考書】 
13-14年版 スピード合格! FP技能士1級[学科編]図解テキスト&的中予想問題

13-14年版 スピード合格! FP技能士1級[学科編]図解テキスト&的中予想問題

他には「スッキリ」というTAC出版のものがあるが、スッキリしすぎ。また、CFP参考書や単元毎のテキストもあるが、受験向けなのかは不明。


参照URL
FP一級合格勉強法 http://fpone.seesaa.net/
ファイナンシャルプランナー総合情報局 http://www.fp.ihoujin.info/
CFP資格試験 http://www.villageofreese.org/

・不動産コンサルティングマスター(コンサルティング技能士)に関するメモ

平成25年度 不動産コンサルティング技能試験 実施予定
受験申込受付期間 平成25年8月1日(木)〜 9月9日(月)/当日消印有効 
試験実施日 平成25年11月10日(日)(予定)
択一式試験及び記述式試験
合格発表日 平成26年1月10日(金)
受験資格 次の①〜③のいずれかに該当する方
宅地建物取引主任者資格登録者で、現に宅地建物取引業に従事している方、または今後従事しようとする方
不動産鑑定士で、現に不動産鑑定業に従事している方、または今後従事しようとする方
一級建築士で、現に建築設計業・工事監理業等に従事している方、または今後従事しようとする方

【参照テキスト等】
不動産コンサルティング技能試験・登録事業 http://www.kindaika.jp/consul/ginoushiken-3/h25yotei

・「資本主義に歴史を接続する」、そしてどうアプローチするのか?

「歴史を資本主義に接続する」ことは可能なのか。これは自分が建築を学びだしてから、自分の価値観との葛藤を行いながら考えてきたことの一つだ。なぜ、都市には歴史がないのか、そしてそれが当たり前になっているのか。大学院で歴史を学び、土地活用の会社でも働いている。そこにあるのは、様々な次元にある都市、土地の葛藤であった。

高度成長以来、効率の源泉、そしてパフォーマンスの舞台になっているのが都市であって、過去の産物である歴史的建造物はサンクチュアリ化されるか、もしくは模倣され外壁のデザインのみ残されるだけのアリバイ工作のようなことが行われてきただけだった。
しかし、数年前から、ドイツなどの実践が評価され、各地でリノベーションやコンバージョンの事例が出てきている。土地に歴史があるように、建築にも歴史がある。土地の歴史を残すのは建築であり、そこには社会の映し鑑であるかの如く積層した意味がある。そこに連続した現在を作り出すために、建築は存在していると言っても過言ではない。
明治維新の時代においても、西洋から様々な文化を輸入した当時、日本人の念頭にあったのは「ここから日本の文化が始まる」、以前の歴史は意味がないといったことだった。明治初期に来日したドイツ人医学者ベルツは日本人の知識人が日本固有の文化を軽視していることを批判するほど、日本人の価値観にはアイデンティティを喪失「したような」事実がある。
それが経済成長、グローバリズムと相まって、アリバイ工作のされる都市ができあがる。

しかしこれからの低成長、価値観のダイバーシティを鑑みると様々な価値観を許容してきた歴史自体が「ブランド」となることも出てくるはずだ。

このことを直接的に受け止め、都市のプレイヤーとして働くのであれば、2つの選択肢がある。
一つのラインは地主、コンサルタント、建設会社のライン。郊外に多いであろうと考えられるが、代々地主が守ってきた土地に対して、経済効率、税制を含めた個人的コンサルティングによって土地、建築に関わる。もう1つは都市においての地主、つまり不動産デベロッパー。自らを経済、金融の中に組み込み、再開発と呼ばれる行為を際限なく繰り返す。目の前の収益に対して最大限の利益を得るために、最大有効な効率を重視する。

このアプローチは最も効果的である。その土地を動かそうとする人になる、若しくは直接的に関与できるからである。ここで必要なのは、世で言う「営業」である。営業は、人のプロでありコミュニケーションのプロである。人の不動産に対する本心、本音、真実を知る事ができることが必要である。
そしてその結果が、金融、経済として表面化する。営業の面白さは、成約に至るまでのかけひきなどシナリオの構築とその実践である。それはそれで、人生を賭ける意味がある。

しかし、自分の興味と以上のことを含めて考えると、自分にとってはもっと直接的に不動産自体にアプローチを考えたい。活用のためでも、売買のためでもない価値を考える事。それは社会の中ではかなり絞られた分野であることは間違いない。社会情勢、経済状況、全てが関係のあることであるから、高度である事も絶対的である。そして、それを可能にするのは不動産鑑定士しかない。
その不動産鑑定も、定量的な鑑定だけではなく、これからは(該当する建築であれば)歴史的意義なども含めた定性的な事象を客観的に判断する必要もあるだろう。その必要性も含めた、都市構築の最初で最大の「鑑定」という事業に関わることを目標としたい。

この目標を達成するためには、現段階では2つのアプローチをかけなければならないと考えている。一つはもちろん、資格の取得。不動産鑑定士は不動産類の資格の中では最も難関で、税理士などと同等の難易度であると言われている。これは少し先の話になるかもしれない。
もう1つは、雇用市場でのプレゼンスの強化。今の仕事の実績はもちろん、それを体系化する資格の取得を目指す。表層を動かす事ができるようになることは単に鑑定士資格取得だけでなく、それ以後の仕事に必ず影響がある。