・豊島美術館 設計:西沢立衛

アーティスト内藤礼との作品。安藤忠雄作品とは違い、アートと一体化し、アートそのものといった建築。
西沢氏、SANAAで今まで日本で作ってきたものとも違う、コンクリートワンルーム空間を作った。どう断熱をしているのか、中には暑さが籠るということはなく、皆それぞれ寝転んだり座ったりと思い思いの時間を過ごす。一体のワンルームのはずがそれぞれが違うアクティビティを起こし、それを空間が許容することに何ら違和感を感じない。
水滴を落としたような建築とそれがそのまま空間になる。上部には2つだけ空隙があり、燦々と日光が注ぎ、内藤礼のアートが風に揺らぐ。地面には同じく内藤礼の水滴のアートが何の脈絡もないように動き回る。
境界がないようで、コンクリートには終わりがある。共鳴、響き、どう身動きをとれば良いかわからなくなるほど、空間は広がりと緊張感を兼ね備えていた。