古材問屋×武庫川女子大学古第3回民家再生ワークショップ参加。
川原さんレクチャー:エコについて。
エコの基本的な考え方:循環に乗ること。
ecology ー 生態:生命、環境。生命が環境に合わせているのではなく、多く作って合うものがものが残る:ダーウィンの進化論
当たり前の事と思って、理解してなかった盲点。こういうことがたくさんあるんだろうなと思った。
そして、捨てるということは目の前から消えるだけであるということ。
今日も貴重なお話だった。


現場作業:一部の土壁を撤去:再利用のため仕分け。
少し崩れそうだった土壁を落とし、漆喰と赤土・藁と竹の骨組みにわける。
漆喰は畑にまくと肥料に、赤土は古いものは売れるほど密度が高くなっている。藁・竹も同様に強くなっているらしい。錆びる鉄・クラックするコンクリートなど耐久性という言葉が使用される現代的な材料とは全く正反対の性質。今回のテーマは、全て再利用。
後半は家屋内の日常雑貨品を全て外に出し、仕分け。半分ほど終了した時点で、今日は終了。
明治41年神戸新聞を貼った襖、未使用のトイレットペーパーなど、興味深いもの多し。


ここでの作業は、リノベーションという機能改変や修繕を目的とする一般的行為の改修でなく、「修復」させることで文化的価値のあるこの建築に延命措置を施すものである。城郭の「復元」などで見られる現代技術を駆使したものとは違い、当時の工法、材料を尊重し「修復」を行う。建築の外観だけでなく、DNA自体も「修復」するということになろう。
新古典主義の時代、廃墟のイメージに関心が寄せられた。時間とともに移ろい行く存在としてもとらえられてきたということである。
そして時間の経過も、建築の一部であり、その終焉まで含んで建築であることを意味する。
この事を考えると、リノベーションを施すことで建築の終焉を消滅させ、新しいDNAを生み出すことに等しい。これにより以前の歴史は掻き消され、全く新しい時間が流れ出す。
しかし、このワークショップでは、人から人へ、直接的に全てが受け継がれる。そしてそれは実体として存在する建築だけでなく、この建築に関わる全ての事象において継承され、最終的に建築の存在として修繕されるのである。
環境問題に対しサスティナビリティが謳われる現代において、重要建築物の保存はその空間性の保存、伝統的工法の継承など、建築に関わる事象を持続させ、軽薄な存在は否定し、人から人へと真摯に伝える人間間のコミュニケーションが必要になるのではないだろうか。