個人の自律が当たり前の時代、建築情報の操作にどういった意味があるのか。
1972年に創刊された『ぴあ』は、情報の概念を変えた。それまでは情報一つ一つに輝きがあったがそれが浸透するにつれ掲載される情報は「ハレ」から「ケ」へ、そして批評性がないことにより個人の主体性を確立させた。
現代の建築雑誌における現状は「新建築」により最低限の一次情報の伝達が確立されている。つまり、何をする以前に所与のものとして「新建築」が存在する。おそらく、現代において雑誌を考えるのも、この前提を前にしてである。しかし、単なるカタログ誌的な情報の集積に付随する新たな価値を生み出すことは容易ではないかもしれない。しかし、新建築を前提にすると、相対化されて雑誌の特徴が見えてくるはずだ。