journalism / editing

・建築が生む共感の空間

先々週に引き続き、また碑文谷に行き、「ブルジョア・ボヘミアン」にお邪魔する。といっても今回は二度目と言う事もあり、雰囲気もわかっていたし新しいものを見に行くというよりもそこにいる人に会うためといった方が正しい。 このような経験は初めてではな…

・20XX年の建築言語

COURRiER Japon 2009年 12月号 講談社 アートにおける職能的変化 金融危機からの脱却の兆しは見えないが,新聞の一面には赤字から黒字への転化,公的支援の実施などどこか景気回復のような雰囲気がある.マスプロダクトからの変換,つまり経済的な打撃と社会…

いつも定期的に購読している雑誌を一通り購入して眺めていると、金融危機以後の世界のパラダイムシフトが完全に移行期に入っている事がわかる。『クーリエ・ジャポン』では観光という経済的行為にショッピングやステータス表象ではないものが求められている…

もはや販促誌に開き直っているようなイメージにも捉えられがちな近代建築。広告の量、扱う企業の種類。しかし表紙は企業の代表や研究者などの顔アップ。モノクロ写真で顔がかなり映えている。販促誌に捉えられがちな、というのは存在意義が建築のためでない…

「村野藤吾」というワードで論文を検索していると、「建築ジャーナル2003年1月号」に当たった。特集は「地域主義のかたち 本当によい建築とは何か?」である。 「環境」をひとつのキーワードとして、環境という言葉がうまれた20世紀後半以降の建築の再評価特…

COURRiER Japon 2009年 06月号 特集は「大不況「脱出」マニュアル」。日本の識者による「切り抜け方」は新聞などでよく目にするが、この雑誌の最大の特徴である全世界的な視点から転職や独立についての記事が並んでいる。 なかでも一番気になったのは気分を…

日経ビジネス 090511号 特集は「成果主義の逆襲」。93年に富士通の導入によって日本の企業にも広がった成果主義のほつれがあちこちに出ている。しかし、成果主義の全てが悪いことはない。企業の存在理由は利益追求も一つである。しかし、そこに入る人がきち…

日経アーキテクチュア 090511号 特集「岐路に立つ有名建築」 近年新聞などでも多く報道されている建築保存についての特集記事。長い期間わたって問題とされている東京駅、鳩山氏の発言に社会的にも浮上した東京中央郵便局などが掲載されている。経済性、技術…

BRUTUS 2009年 5/1号 やはり女の子は日本経済の中枢に位置する超重要な存在だった。 前々から女性誌を度々購入しては広告やファッションの流れの早さをみることをしてきたが、ついにブルータスからギャル特集。これこそ日本を支える文化の一つだ。 表紙には…

全てのものは何かのために存在する。そこらへんのよくわからない店だって、どんなに小さな企業であっても、意味があるから、誰かがお金を払ってでも存在する意味を与えられている。 今日は新聞社の医療、科学記者に話をきいた。 医療、科学の専門的な分野の…

日経アーキなどにも連載している建築ライター、ぽむ企画の平塚桂氏のレクチャー。 京大在学時のことから五十嵐ビッグバンによるぽむ企画HPの社会への露出など時系列でプレゼン。ネットが今ほど発達していなかった頃、何かしようという気持ちだけで行ったHP制…

ディテールを10年分見る。 建物のディテールというのは最も人に近い部分だ。だからこそ、著名で能力のある住宅作家には独自のディテール論がある。最近の著名建築家のディテールは施工会社の人間が作っているとの噂もあるが、それはさておき、この人に最も近…

今の建築雑誌には批評性がない。そう言われて来た。ぼくもそう思っていた。 しかし、歴史的にも建築雑誌の代表である「新建築」にそれが必要であるといえばそれはまた違うんじゃないかと思う。 それは、建築家の定義に関係する。建築家とは、ただ単に家を頼…

一般の人が建築に触れる部分はどこか。 間違いなく日常生活だ。だが、建物は建物であり、当たり前すぎて日常の空間を意識的にみるというのはあまりないことのように思う。 そこで次はといえば旅行、展示会だろう。食器の美しさを知り、その裏まで知っていれ…

ジャーナリズム崩壊/上杉隆 幻冬舎 日本にジャーナリズムは存在しない。これは極論であろうか? この著者が体験したアメリカの経験に関していればそれは正解だ。ジャーナリスト一人一人の自律性、国家に対する位置、市民のメディアに対する意識。どれもこれ…

メディア・バイアス/松永和紀 光文社新書 メディアの病理というのはなんであろうか。おそらく、一番恐ろしいのは消費者、読者を翻弄する力を持っていると言うことである。それが間違いであったとしても、表象だけを作り出すメディアを見る消費者も表面的な…

取材のこと以外で収穫だったことがあった。それは建築の保存に関する問題で、資本主義とかそういう大きな問題は二の次であるということ。 建築自体の良さがわからず、ポスターを貼るためだけに柱を変えてしまったり、照明などのメンテナンスを怠ったり。建築…

Re:S vol.1 Re:S = Re:Standard 駆け足な世の中が ぽろぽろ落としていった大事なものを ひとつひとつ拾いあげていく そんな雑誌をつくろうとおもいます。 「Re:S」という雑誌の冒頭のことば。 新鮮過ぎる。何か目の前にあるものの切り口を考えるんではなくて…

インターン11日目。 朝から官公庁取材。 職員さんに解説してもらう。が若干まだ頭に入ってこない。大量の資料に押し潰されてしまいそうだ。とりあえず帰社。それというのは夕方からもう一件取材が入ってたから。 あるイベントのための建築の竣工現場だ。まだ…

前回号の自己批判からはいり、企画会議、編集方針会議。前回の反省からというのは雑誌にとって当たり前のことなんだろうか。たぶんそうだと思う。でも実際に目の前で行われているのを見て、雑誌というか情報の扱いが本当のものであることを知った。ただコネ…

昨日の記事内容の確認をする。電話で確認するのだが、向うも担当に最終的な確認をするまで下手なことをいわない。マスメディアの多大な緊張感、責任の重さを感じる。これらを全て配慮して「真実」をメディアに載せることで多くの人々の責任はもちろん、生活…

ある会社の説明発表会。 中身はいいとして、問題は質問の時間。質問の時間の方がおそらく長かった。質問によって形成されるかのように主題が明確になっていく、しかしそれは裏を返せば主体の意図は薄れ今日の発表がまるで記者たちに作られたかのように幕を閉…

聞きたいことは全部聞く。でも言いたいことはたぶん言わない。その立場が記者なんだろうな。客観性をもった文章に昇華する行為。そこには仕事としての主体性がない訳ではない。伝えるために精神を尽くす、行動としての主体性だ。決して芸術的ではないかもし…

ジャーナリズムの意義の一つは本質に立ち返ること、原理原則を考察として振り返ることでもある。現代の都市は資本という波に冒されてはいるがどういうシステムが働いているか、少しまとめてみたいと思う。現状の都市とはどうなっているのであろうか。 グロー…

提唱/批判的工学主義 批判的工学主義は、場所など、建築をめぐる非制約性の社会的条件を明らかにするリサーチと、その社会的条件の再構成と形式化である設計とを不可分なものとして位置づける。 この文章から得られる構図は、レム・コールハース率いるOMA/A…

70年代後半の雑誌を見る。 今と変わらず、デザインだけでなく社会と近い所の取材を行っている。 海外雑誌3誌と提携を組み、毎号ヴィンセント・スカリーのカーンの評論などの掲載、若き日のハンス・ホラインやノーマン・フォスターなどのインタビューも行って…

日経BP社は雑誌中心の出版社である。一昔前まではネットの情報<書籍、雑誌(活字)という構図が描けていたが、今は違う。ネットで中国の震災の情報を最速で報道した。雑誌では遅すぎる情報をネットで配信する。

新建築 0807 1960年代、アーキグラムという建築家が存在した。といっても彼らは自信の作品を実現させることを目的とした集団ではない。科学技術により大きく変化する世界の未来像をドローイングにより表現する、アーティストに近い存在である。1960年代は、…

「ぴあ」の批評性について。 「ぴあ」は情報誌である。しかし1972年の創刊時からその「情報誌」、という体系に特徴があったのだ。 雑誌とはそもそも、編集者という立場がある以上、雑誌に対する編集態度があり雑誌側の主体性が表面に現れるのが一般的、とい…