二川幸夫講演会@TOTOテクニカルセンター大阪

学生時代からのことからの語りだしで始まったこの講演は、現在ある批評眼を植え付ける歴史そのものであった。
建築教育の不在を自身の教育に対する態度と大学側の許容から語る。経験、他見することの大切さを日本中の民家を回って歩いたことから身をもって知っている氏であるからこその言葉、語りは一般論ではない生きた新鮮なものであった。良い建築かどうかを判断する自信、正確さはやはり、経験から培われるのだ。氏はラ・トゥーレットに24回行き反復することでなぜこれがいいのか、認められているのかがわかったという。この言葉には、こうやって分かったように文章にしてしまっている自分が恥ずかしくなった。瞬間瞬間正直で率直な言葉は、未熟さとそれを隠そうとする自分に重く突き刺さった。

自分の眼を信じ、良い建築のある国へ飛び回る。本当のジャーナリストをそこに見た。

70年代に作ったGA Galleryはライト、アスプルンドなどのオリジナル図面を展示した歴史的な空間だった。地下にボーリングができるほどの空間がありそこで作業をしているなんて全く知らなかった。