今日説明を聞いたのは大手ゼネコン数社と事業的に広い分野をカバーしている企業。
二年前にいくつかゼネコンなどは受けていたが、内容はあまり変わらなそう。この場で金融危機の影響を述べる企業なんかいないか。

ゼネコン以外のところで聞いてみたのは「ピタットハウス」の不動産事業や「OZ magazine」という女性向け出版物を刊行しているスターツグループ
不動産事業は各駅を核とし、周囲の土地を何年もかけて攻略していく、自称地域密着型の事業。土地保有率が日本で上位であることから、歩いていると必ずといっていいほどみる単身アパートメントの設計、管理であろう。
もちろん、ここの目的は土地所有者のクライアントの土地有効活用であるが、同じ企業が日本全国の街並要素を手がけるのとクライアントの街並に対する関心の薄さがどこに旅行しても同じような建物が並ぶ風景が続くのはいうまでもない。これはこれで仕方のないことなのだろうか。とても疑問。いいのか悪いのか受け継いでしまった土地の管理は難しいだろう。持っているだけでは税金を生み出す貧乏神でしかないものを、なんとかプラスにするだけで精一杯な気持ちもわかる。しかし、建築の影響力というのは限りなく大きい。それを意識しなければ、街、都市全体もよくならない。これから都市の時代、地域の時代になっていくが、このような細かいところから変えていかなければ、街の価値は上がらないとおもう。

もう一つのゼネコンではないが建築業の一端を担う新しい企業、ヴェディオール・コンテック。
大手ゼネコンなどに人材を派遣する新しいビジネスモデルだ。といっても単なる派遣会社ではなく、自社を核として様々な企業に派遣したりすることでその社員自身の経験値を増やしていく、新しい、専門的な雇用形態を生み出した。社員はキャリアシートを年二回提出することにより自分の夢を確かめつつ、それに見合った経験を選択していける、社会型教育機関のような存在か。
ここで少々疑問になるのが建築的な知識や素養をもつ人物であっても新入社員のうちは新人であり、そこまでできるとはおもわない。社員一人一人は夢をもち、ある程度の経験をするとやめていくというがその後また新しい人間を同じ企業は受け入れるのだろうか。それがもし可能なのであれば、施工管理という職種の必要とされる質が気にかかるし、設計においては単なる設計の請け負い、つまりCADオペレーターと違わない経験である。説明会で聞いてみようと思う。
2005年に生まれたこの会社のビジネスモデル、そして建築界における質。社会に対して発言するには最低限の仕事はできなければならない。