朝日新聞には、「朝日歌壇」という読者の投稿欄がある。どれも選者をうならせる名歌ばかりだが、この欄をめぐって最近気になっていた出来事に一応の決着がついた。それは寿町に住むホームレスの話だ。歌には社会の厳しさ、生きにくさが綴られる。しかし名の通りホームレスのため、住所がなく、歌壇に掲載された謝礼を何本分も届けられていなかった。そのことを数週間前の月曜の紙面に掲載、返答を待っていたところに次の歌とともに返信がきたことが今日の朝刊に載っていた。しかし、この人はいまは連絡をとる勇気がないという。いろいろあるのだろう。編集部も強引に探す気はないという。
しかし、ホームレスの人が訴え、詠む歌には強さと美しさがある。この歌を知り、応援歌は増えているらしい。誇りを捨てず生き抜く姿には感服だ。