「骨」展/21_21 DESIGN SIGHT
デザインの根幹、骨展。
今までモダンデザインが追求してきた表面をつくりそれを隠蔽するデザインから動きを表層化すること。その前段階として骨を見つめることで表層化すること、その動きを表層化することがこの展覧会では試みられている。
展示は前半と後半に分けられている。
前半は主に写真家による展示だ。湯沢英治の本来の生物学的な標本よりもコントラストを高くして、その陰影を強調している写真やニック・ヴィーシーの工業製品を断面でスキャンしたような写真群。さらに分解された時計などの工業製品を展示することで「骨」がメカニズムの具体化であり、整理して最適なシステムをつくりだす「arrengement(整理、アレンジ)」をすることであると提示する。
後半はその「骨」の定義を踏まえた各アーティスト/デザイナーによる展示。インタラクティブデザインの表層化ともいえようか、センサーに反応してグラフィックが出現するReading Design Edgeの「on the fly」。日本の伝統工芸ともいえるからくり人形師の玉屋庄兵衛の「弓曵き小早舟」は「感覚」に裏付けられたアートではなく、システムを美しく配置してそれをスムーズに動かすという美を感じた。THA中村勇吾の「CRASH」は内在する「破壊」という突発的状況の動的美を表現する。これらプログラムと物理的世界の融合を図る作品はデジタルとリアルの相互連動を近づけたように思う。