何にそこまでこだわっていたのだろうか。
所詮自分の幸福しか考えていなかった。自分を極限まで信じる、過剰な自己陶酔から生まれる崩壊は、確固たる真実に救われ、再度自律した循環にその軌跡を戻すことができた。多くの過ちを受け入れてくれたことに感謝しなければならない。
ここまで自分の自然体が受け入れられ、自分では気づいていなかった小さな事柄を注視してくれる幸せを知った。笑顔ひとつで、自分の心、いや心臓という物質がストンとどこの流れからも開放され、暗闇の中に浮く。隣にいるだけのはずが、そこには流動的な境界が流れる、動的平衡状態が自分を自由にしてくれた気がした。初めてではない、懐かしい感覚がする。