建築史、歴史の意義とは何か。
それはその中にある多くの「事実」をピックアップし、それらの間に関係を見出して、何らかの言説を作り出すことである。そしてその言説の中に批評性や新しい見方、解釈が含まれていることが重要なのである。(建築雑誌0705 藤岡洋保)


記号学(きごうがく)は、言語を始めとして、何らかの事象を別の事象で代替して表現する手段について研究する学問を指す。記号論(きごうろん)ともいう。
記号論記号学が記号に関する学問というのは間違いではないが、特に記号学においては記号とその記号の体系、そしてその解釈、生成を行う主体に関する学問であり、その解釈におけるイデオロギーやシステムを問題にする批判理論とも結びつきが強い。

記号(きごう)とは情報伝達や思考・感情・芸術などの精神行為の働きを助ける媒体のことである。 狭義には、文字やマークなど、意味を付された図形を指すが、広義には表現物、ファッションや様々な行為(およびその結果)までをも含む。(Wikipedia)

一般的にいわれている批評理論とはこういうことである。もちろんこれは文字という記号すなわち別の事象を代替物としているものを批評文としている。

雑誌は全体のデザインから一つの文章、写真まで、幅広い記号を使用する多様なメディアであると考える。さらに、情報を定期刊行物という形で編んでいき、時代の連続性を構築する。このことは雑誌が機能、構造などのエンジニアリング的側面に加え、空間表現という芸術的側面、さらにはそのモードや伝統などを含有する建築においては大きな影響のある体系であることを示している。