華氏911をみる。
2001年9月11日のワールドトレードセンターについてのドキュメンタリー。
新入りの消防士に密着する予定のものが、偶然事件と重なり全貌を記録したものとなった。


とりあえず、ブッシュ批判。ですが、それ以前にすごい映像だった。

人が作ったものを、人によって崩され、人を殺す。
建築を作ろうとする者にとってこれ以上の衝撃はないのではないだろうか。
その中では、もはや人の許容を超え、人が無力なことを実感させる映像がある。想像もつかないほどの塵、瓦礫。信じがたい今まで普通にあった風景の崩壊。人間というものは本当に恐ろしいものを作っているものだ。しかし、これを辞めるわけにはいかない。

このドキュメンタリーはテロの恐怖という面で作られているのだろうが、やはりぼくたちには違う側面も見せつける。

「一度目を瞑ってまたあけるとまたそこにはWTCがあると思ったがやはりなかった。」

人々の中に存在する積み上げられた歴史、記憶。長いはずだったその過程は、消滅するのは一瞬だった。

少しビジュアル的に気になったのが、塵に覆われたニューヨークの脚元。塵に覆われ、全てが灰色になる風景は、日本の建築家の目指すモダニズムの終焉の風景だった。