植田実さんの参加するシンポジウムへ。

グローバリズムの中での関西というテーマで、植田実、吉村篤一、宮本佳明、江川直樹の講演と花田佳明司会によるシンポジウム。モダニズムに対し、関西という貴重な日本のアイデンティティを明確にすることができた。

植田実さんは編集者らしく、近代における住宅史を基に議論を展開。
1960 ミース・ファン・デル・ローエ ファンズワース邸
1959 フィリップ・ジョンソン    グラス・ハウス
1957 ミースのMOMAエキシビション


1950 池辺陽  立体最小限住宅
1952 増沢洵  自邸
1955 吉阪   自邸
1957 菊竹清訓 スカイハウス
1962 坂倉準三 正面のない家
1964 坂倉準三 N邸

日本的な住まい、西洋的な住まいというのがモダニズムにより一層強調された年表である。
当時は4畳などリテラルな数値で最小を決めていたのを生活コアの反転で最小限をきめたスカイハウス。
都市に住むというメッセージから素の住まいというテーゼになる塔の家。見られるということ。
住まいとは身の回りに全てがあるということ。高過庵。
後ななか村野藤吾を誰が引き継ぐかみたいな話してた。藤本壮介西沢大良らしい。


そのご、京都の町家を中心に活躍する吉村篤一の作品紹介。

驚いたのが、江川さんの作品紹介。結構ぶっ飛んだデザインを紹介されるのかと思っていたが、タウンアーキテクトらしいストラテジーの紹介だった。敷地に対して軸をブレさせることによるリージョナリズム的操作を施し、街並のブリコラージュ化を図る。集住のスケールを戸建てのスケールに会わせるなどの手法を紹介していた。
あまり空間の作り方などの話はされていなかったので、おそらく大学の講義レベルに合わせてこられたのだろう。

次の宮本さんの話は卒計で少し考えていたことをかすっていた。全く意図は違うものだったけど。
地形、インフラ、文化財など残存可能性の高いものが環境ノイズ、風景になる。みたいな話。


このシンポジウムの意図は、合理性のズレがリージョナリズムとなり、アイデンティティを強調するってことなんだとおもう。