昼から京都、秋野不矩展。
槇さんの京都国立近代美術館。純モダニストらしさの中に建築の大きさを感じることができる美術館だった。
整然と並ぶ(並ばされる)絵画、静寂さを保つ(保たされる)空間、建築に従属する要素。

水彩画のような繊細さをもつ学業期から晩年のインドの旅までを展示。
主にインドの旅の中の絵画で、ほとんどが黄金の色、という印象を受ける。
ぼやけた写実的な絵画ではあるがどこか写真よりは場の繊細さが入ってくる。
模様のような落書きのような壁面や地面に描かれた描画を積極的に絵の中にも汲み取る一方で陰影の明瞭さ、砂や川の流れの描写の的確さが絵として、自分が感じる世界としての大枠を作っているように感じる。また、どこか匿名的であるが異様な存在感のある人物描写は自分の中で未知であるインドという土地を近くに、また遠くに刻印するように感じた。

四条まで歩く。
東京の大都市の中を鉄道で移動していたからか、京都の奥行きの深さに改めて気づかされた。そこには明らかにゲニウス・ロキが存在していると感じることができる空間だった。