国立国会図書館 設計:

衆議院参議院など政治的建物の集まる官庁街にGLを下げ全体を低層にひっそりと佇む。
所有する書籍をすべてネットワーク化し、ピンポイントで注文するシステム。図書館ではぶらぶらしながら目に付いたものを手に取る、本との出会いの場という印象はなく、どこか窮屈さを感じる。
しかし、本を収集、貯蔵する目的遂行のために所蔵書籍、雑誌、そしてそこに立ち入る人間全てがインテグレートされた建築だと言える。
一方で所蔵庫以外の空間すなわち一般人に見える空間は自由さがあり、どこでも本を読むことができる。中でもヴォリュームに覆われた中庭は完全に図書館の壁と空しか見えず、都市から隔離され、手にもつ「本」と対峙するために理想的な空間となっている。
所蔵庫と閲覧のための空間の比率