工大の同期、Tの結婚式。
Tとは一年もいっしょにいなかったと思う。大学に入ってから遅めの出会いだったし、途中で彼は学校をやめて大工の道に入った。でも、ぼくが彼ほど尊敬している人間はいないように思う。それは当然、人間として。あそこまで強く、優しい人は今まででみたことない。正義という言葉がドラマよりも似合う男。彼といると自分の小ささがよくわかった。虚言で夢という虚像を追いかけていること、虚像で作られた自分。自分にはそういう癖があることを気づかせてくれたのも彼が最初だったかもしれない。
そんな彼の結婚は心から祝福できたし、今回会ってやっぱりまだ自分の目標として存在していることがわかった。
一方で、与えられた不安も大きい。たくさんの友達に祝福されている彼をみて、自分は今まで何をして来たんだろうかとふと考えてしまった。そんなこと比べるものではないというのはわかっているけど、自分自身に対する自信は底辺まで堕ちた。特に良くもない頭でここまで来てしまって、毎日後悔と苦難の連続ではあるけど、それはもう仕方ない。そんなこと以上に、もっと大切なことを忘れてしまっていたことに改めて気づいた。それはこの一週間大阪で過ごした中でいろんな人が気づかせてくれたことと同じだった。まだ自分が虚像を追いかけていることに気づいていないこと。あいつみたいにもっと強くならんとあかん。