巨匠ピカソ 魂のポートレート @サントリーミュージアム
日仏交流150周年を記念して催されたピカソの展覧会。ミッドタウンの二つの美術館を使用するほどの展示物から、巨匠の姿があぶり出されるような展示だった。
サントリーミュージアムでは自画像を中心に青の時代からキュビズムなど時代を追う流れでピカソに迫る。
写実的な絵画の多い青の時代から三次元のものを二次元に落とし込む作業をするキュビズムは、その内向きな感性をそのままにじみださせたような時代であるように感じる。演出性をおびながらもデフォルメされた人物描写には闇の部分の存在する印象をぬぐえない。それは自己の投影として描き出される数々の人物の延長にあるミノタウロスにも感じられる要素だ。