阪神淡路大震災記念 人と防災未来センター



阪神淡路大震災の記憶をとどめることが目的の公共施設。どこかの小学生が見学にきていた。最初の映像はかなり強烈。上映後に小学生がお化け屋敷よりも怖いと叫んだのもうなずける。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだ。阪急伊丹駅や高速道路など事実に基づいた再現であるとはいえ、ここまでの衝撃にリアリティをもたせるのは事実であるからこそできることだ。
被災した少女の物語でも、亡くなった姉を想う姿が目に浮かび、終始涙が止まらなかった。どこまで手の込んだCGで表現するハリウッドの災害映画よりも、本当の事実であるストーリーには、大きな力がある。
日常に忙殺されるなか、「被災した」という経験を多くの人に共有してもらうということは実際に体験していなければ難しいと思う。しかし、被災したからこそ小さなきっかけでその記憶をこれからに活かしていける。それは社会的な意義であり権利でもある。多くの日常的欠陥が露呈する災害などに、どう準備をするか。常に考えていたいことの一つだ。
今日の大きな目的である「震災+design」展は、その災害に対してデザインがどうしていけるかという試みを集めたもの。「デザインの力」を非日常の生活に活かす博報堂主催による展覧会。デザインの学科だけでなく医療などソフトを学ぶ学生も参加している。避難所の生活における不便を改善して避難生活の自助を行うものが主。掲示板の大切さや水、健康の管理まで、さまざまな問題意識があった。その問題意識のあり方とそれぞれに対する解答の仕方に個性が見える。