私はそこまで味のわかる人間ではない。とてもグルメであるわけでもないし、ジャンクフードと呼ばれる若者など多くの人の舌に合うものも大好きである。
しかし、一時前から研究室の人と食事をいっしょにする際に「舌が肥えている」などといわれることがよくある。日頃から文句を言う悪い癖のある自分であるが、みんなが食堂で食べるというと決まって文句に近いことをいってしまう。
今日も言われた。いつもはそうではないと言って否定はするが、食堂の飯も含めてキライなのには理由がある。まず、空間。ビニールのような、昔の病院のような真っ白い空間が苦手だ。そこにいかにも大量生産されたかのようなテーブルや椅子が並んでいる。さらに飯が入った皿。プラスチック製の皿にプラスチックの箸が当たる音が軽くていやで、さらにマヨネーズやソースなどの品のない濃い味。これはたまにでいい。
まあ味のことはともかく、無味乾燥の部屋で食べるものほど味気ないものもない。