研究室で論文考。そろそろ周りの雰囲気も賑やかに、そして真剣になってきている。
途中、デザインスタジオの中間講評を覗く。大学でも初出題となる、鎌倉の鶴岡八幡宮のなかに位置する神奈川県立美術館にギャラリーを設計するというもの。神社という大きな時代の流れを積層する空間に、戦後介入したモダニズム建築。そこにまた新しく価値を創造する、いまでは当たり前になったリサーチの結果を発表するのが今日の発表内容だったようだ。こういうところでは、大きな概念よりも、綿密に歩いて、調べた結果を自分なりに整理しておくのが後々一番役に立つ。決められた、または決めた時間内でどこまでクオリティの高いリサーチができるか、土壌を作っておくか。その編集までがリサーチだ。ここでの抽象化された思考をどこまで具体的にしていけるかが綿密なデザインの第一歩になるのだろう。
自分が設計教育を受けた大学ではここまでリサーチに重きをおいた見方を全くしていなかったように思うのが残念だ。自分がやっていったとしてもそれよりも形、というかなり偏った消費的教育だったように思う。