昨日の寒さと天候とは180°変わって,枯れ葉と緑を透過した光は,多くの意味を携えた色になって地面,街,そしてぼくに語りかけていた.そこに秋の少し冷たい風は,ぼくを現実に引き戻す役目を果たすべく,いつも光とぼくの間にいた.
東京都立図書館の建つ有栖川宮記念公園は,広尾の街の品のいい商業地区の中にあるサンクチュアリとして,学校帰りの子どもやまだ小さい子どもを連れた主婦を包み込む.
ここに来たのはまだ2度目.東京の資料ならここが一番ある.しかし地図をコピーするのは著作権の問題もあって手間がかかる.でも,論文作成中にここに来るのは,全く面倒なことではない.できれば定期的にこれたら,と思うほど.
図書館を出た時にはもう日は暮れて,街灯の当たらない公園内でつまづきそうになりながらも駅へと向かう.店舗などの照明を頼りに出口までくると,そこからは心持ち早足になる.大きかれ小さかれ,「都市」というものにはひとに仮面を付けさせる環境と,その仮面を客観化する性質があると思う.公園のなかでは自分の心でみていたものが,外に出ると自分の目はどこかで自分を見ている.それが寒さと相まって,次の目的地,本郷三丁目へとぼくを促す.
先日お手伝いをさせてもらったNPOのミーティング.学生が参加する,というのはいつもながらぼくだけ(たぶん),のようだが,参加したプロジェクトなどの報告などがあると,それ伝いに他のプロジェクトまで少しずつだが理解できるようになってきた.継続,というのは基本だが一番大事なことだ.卒業後も積極的に参加していければなと思う.