・大阪駅・駅前開発経過

JR大阪駅のプラットホームを挟んで百貨店のヴォリュームが追加され、アクティにはさらに横にヴォリュームが付加される。また、オフィス機能のヴォリュームも大阪駅阪神百貨店の上部、さらにはこれから開発の始まる阪神百貨店にも付け加えられるだろう。この計画は逆算すれば数年前に計画が始まったと思われるが,東京丸の内でも空室状況のある現状でどこまで意味のあるものになるかはみておく価値がある。東京とは違い,大阪、ひいては関西という土地は、確固たる中心地が存在するいうなれば明確な核構造を有する。それはアメーバ状に広がる東京都は違い,機械的メタファーのように中心と周縁を抱える都市構造だ。つまり、丸の内のオフィスの空室状況と大阪駅前の空室状況は比較する上でのコンテクストが違う。
しかし、もはや2010年代というCIAMの近代都市構想から半世紀以上も経過する現在において、この種のスカイスクレイパーで構成される都市に限界がないとは言い切れない。その限界と展望は東京という平面増殖的で匿名的都市とは違う大阪の有名的ポテンシャルと、歴史の重層性が垣間みれる土地によって提示されていくのだろう。