・空気という財産

とりあえずの帰省、終了日。今日の夜,横浜に戻る。ゆっくりもしていられない。就職の準備、引っ越しの準備,宅建実務講習と、来期からの準備に追われている身でもあるから。しかし、今回の帰郷は本当に実りのあるものだった。大事な人と意志の確認ができたことに加えて,今までの帰省とは全く違う、別の意味での地元を再認識することができたからだ。mixiの使い方も変わると思う。
最終日も、友人と会う事ができた。いつも飲んでいるFが体調が悪かったため会う事ができなかったのは残念だが,彼に限れば友人として、敵として、いわばライバルだから、いつでも会えると思っている。だから今回はまぁ、いい。しかし、体調管理はやはり大事だと思う。友人に会う機会すらも奪われるのだから。仕方ないといえば仕方ないが、社会人としての当たり前以前に、根本的に自身が損失を被るくらい考えてもいい。それくらい、チャンスを逃したとも言える。まぁ、お大事に。
今日は午前中には家を出て,開発の進む大阪駅周辺を少しリサーチというか、視察。今回の大阪駅大規模開発には少し思うところがある。
ランチの時間にaさんと待ち合わせ、パスタ、ピッツァなどのバイキングへ。この店に向かう途中のコウヅキキャピタルの一階の店舗がなくなっていることに驚いた。コウヅキキャピタルは日建設計設計のオフィスビルだが,かなり質のいい建築だと思っている。この建築的質が賃料の高さを招いたのか、よくわからないが、不動産的価値と建築的価値の微妙なズレを感じた。ランチをしたイタリアンレストランは梅新通りの交差点に位置する新築ビルの一階、ガラス張りの空間だ。お初天神へのアプローチを大胆に設けて,神社と都市をダイレクトに結ぶストラテジーを内包するこの建築も日建だったろうか。わかりやすさや空間の密度は最適である。
ランチ後は少し地下街をぶらぶらと。なぜか花屋とかみる。また、こういうところにも先日行った雑貨屋みたいなのがある。大阪駅前の地下街だが、東京、横浜にはこういうところは少ないようにも思うのだが、まだ情報不足な気がする。雑貨屋では水玉のマグカップをみつけ、即購入。ミニマムでがっしりとした、いい感じのカップだ。
その後はaさんと別れ、ジュンク堂へ。Fがキャンセルになったので、しばし暇。いつか読もうと思っていた「斜めにのびる建築」を購入。さぞ暑い本だと思っていたが,意外に薄く,地下のカフェで一気に読了。
予定ではFの後に会う予定だったKに電話してみると、空いているので早く来てもいいというので、阪急梅田駅の「neko」というカフェで待ち合わせ,修論を終えたばかりの少し疲れた表情のKと歓談。話の流れで現在も学部から大学院に上がった同期を呼ぼうということになり、Wに電話してみるとちょうど梅田にいるということで合流。Wと同じ研究室のSにも連絡してみると、来るという。そこで4人でお好み焼き屋にいくことに。
阪急の高架下にある飲屋街、かっぱ横町にも少し異変があった。いろいろと店が変化している。お好み焼き屋は何軒かとなりにあったぼてじゅうではなく、「わらい」という店。わらい焼きという独特のメニューは、もんじゃではないのだけれど、やわらかい舌触りのお好み焼き。もんじゃ焼きチーズはみんなお気に入りで、二枚注文。そこでの会話ははっきりいうとぼくの入れない大学院の内輪話だったが、そういえばこういう話はあまりしなかったなと思いながら聞く。どちらかといえば横浜の大学院では一般論まで昇華させることが多かったような気がする。

話の内容はさておき、やはりこの空気感は自分にとてもフィットしている気がする。疎外感や心臓に穴の空いたような感覚がなく、大阪という空間とぼくの身体が相補的に存在しているかのような。ここが東京とは全く違うところだ。
その後もKとSは終電ぎりぎりまで付き合ってくれて、ぼくもちょうどいい頃合いにバスに乗る事ができた。