朝一で弘前を出発。
鈍行で青森駅へ。青森県立美術館以外特に見たいものもないので、すぐに美術館行きのバスに乗る。

まだ雪が多く残っていて、周囲の白と同化した佇まいを見せる美術館が静かに現れる。
竣工から一年以上たっているのにも関わらず、雪の反射が助けて純白の雰囲気を出す。
ほとんどが雪に埋もれる展示室のヴォリュームは静かに佇み、カフェ、ミュージアムショップのヴォリュームが地上では誇張を見せる。まるでそれが目的地であるかのように。
しかしこの建築はヴォリュームではない。雪のように降ってきたようなヴォリュームを雪かきのごとくかきだした発掘的空間である。
エレベーターで地下に降りたエントランスは出隅によって構成された空間。テクスチャーもそれに合わせ土のようになっており、非完結的な空間と対応する。入隅により構成されるホワイトキューブは白く完結的である。このテクスチャーと構成の二重のコントラストの間に生まれた隙間的な空間は順路を持たないことが掛け合わされ実に豊かな空間となって存在している。まるで縄文の発掘現場の土と雪の断層を見るように空間のコンセプトが露出している。

その後青森駅に戻り駅前にいると京大の子と遭遇。といっても話したことはなかったが彼も飛行機で一気に大阪まで飛ぶということで大阪まで話しながら帰る。