編集態度が明確で特徴のある編集方法をとる雑誌をピックアップし分析した。
このような雑誌は単に時代の表面だけをすくっているのではなく「鏡」として存在し常に時代に対応してその向きを変える。時代の方向性や建築家自身の方向性を問う。
これに対し現代の雑誌は建築家の量とその数だけある問題意識の多さに耐えきれず批評性を失い、休刊していったのではないか。現代は川添登編集長時代の『新建築』に比べテーマが分散化しており誌面全体が百花繚乱気味を否定することはできない。
さらに『建築』『都市住宅』のような建築家に対するジャーナリズムも、現代では経歴書のような雑誌や書籍、展覧会にとって変わっている。

これからの方向性として、雑誌は一般誌にも対象をシフトしつつも、建築文化などまだ手をつけていない雑誌も研究に入ろうと思う。また、「都市住宅」もまだ花田先生の本の脚元にも及んでいない。それに加えて、展覧会などフィールドワークなども効率よくして行こうと思う。