菅匡史展/プリズミックギャラリー
ギャラ間の展示を初め今の建築家の展覧会は単純に写真とテキスト、模型だけの展示はあまり見ない。コンテンツがそれだけであっても展覧会のための、展覧会におけるコンセプトなんなりがあり建築的に構成されることが多い。それは「建築家」という一つのアイデンティティと展覧会会場の共犯関係において新しい価値を呼び起こすものとして、またコンセプトを純化し期限付きのインスタレーションとして建築家の建築ではなくアイデンティティそのものを表出するものである。あるものを並べるアーカイヴ的なものも実際あるだろうが経験しなければならないという必然性もない。
それでは美術館の展示などはどうなのだという反論もありそうではあるがそこへ来て初めてメディアが問題になる。このギャラリーはオフィスの中にあり、場所的な問題からも大々的な展示はしにくいのであろう、模型、写真、図面の印刷された冊子が置いてあるだけの展示だった。