神奈川県立近代美術館別館/大高正人
内部を反復するコンクリートアーチの連続フレームは空間に柔らかな光を不変的に供給する。完全に隔離され静寂に包まれた空間はアプローチから確認できるヴォリュームとは物理的にも感覚的にも大きな違いがある。強く確保された空間と内部のおおらかな光により、より広く、より大きな秩序を内包している。
背にそびえる山から大きく張り出したかのようなキャンティレバーによるヴォリュームは、横浜らしい地形と呼応し、かつ周囲の落ち着いた雰囲気に溶け込んでいる。