いつものWSでお世話になっている建築家のところに行く。
今日くる予定だった学生は二人とも体調が悪いみたいで欠席、Iさんと二人で図面を描く。といっても大半が説明、勉強会みたいな形になった。内容は実施図面について。ディテールでやっていたとはいえ、あれは単なる絵にすぎなかったことがわかった。伝えるための、作るための図面を教わった。電気工事、給水衛生工事。何気なく使っている生活の当たり前の部分もいざ描こうとすると見たことがない裏側があったり行動を一度思い出してみないとわからない状況。建築を作るということはこういうことだということを初めて知ったようにも感じた。今までの勉強が意味のなかったものではないが、実践ということを全く知らなかった自分が恥ずかしい。
しかも半年ぶりのベクター、さらにノートパソコンを使っての作業は初めてだったので少し時間がかかる。ノートパソコンは文章はすごく書きやすいが図面は不向きな気がする。デスクで落ち着いてやるのが一番。

帰りに家まで送ってもらう途中、その建築家の自邸の建つ敷地を見せてもらう。
夙川に面した静かな小道沿いの敷地。どんぐりの木のある、特徴的な狭小敷地。法規制バリバリのこの敷地に建築を建てるのは無茶と行っても過言ではないのかもしれない。第一種低層の風致地区、坪数なんと10坪。以前から小さなカフェを見せてもらったり図面をみせてもらていて、小さな敷地の中で逆にスケールにフィットするような小さな建築をうまく、そして大きく作る人だなと思っていたが、ここの計画案をみてもその効果は発揮されるようだ。ギリギリだギリギリだといつも言っているが最大限に敷地、法規、材料を使用してしまう。そしてそのガチガチの中にポッと力の抜けた空間を作る。それが多くの人の心の中に余裕を生み出す。まさしくこの人は空間と人の間をつなぐプロだと思う。