日経ビジネス 090511号
特集は「成果主義の逆襲」。93年に富士通の導入によって日本の企業にも広がった成果主義のほつれがあちこちに出ている。しかし、成果主義の全てが悪いことはない。企業の存在理由は利益追求も一つである。しかし、そこに入る人がきちんとひととして扱われていないなどの問題点は多い。その両立をどうするか、である。本特集はその成功例を紹介している。
どう補完し、是正していくか、どちらかに傾倒するのでなくどこまで経営者、上司がセンシティブな判断をしていけるかが大事なのであろう。
トピック「リーダーの研究」では日本マクドナルド原田泳幸氏が登場。ちょくちょく利用するがマックは最近変化が激しいようにも感じていた。その裏にIT業界から転身した氏の手腕が発揮されていたのだ。「客数」を増加させ、「客単価」を上げる戦略、「社長という機能」であることなど、多いに勉強になる。
創業者である藤田田氏はその持ち得る求心力による「大家族主義」としてアメリカ本部から独立した経営方針を打ち立てていた。しかし原田氏は対照的にカリスマ性にものをいわせて1人ひとりの依存心の連鎖を生むのではない。成果主義を導入して、日本の特殊性と向き合うことから逃げずにアメリカ籍の企業ということを前面に出す経営方針をとった。結果売り上げは上がり、次なる戦略へと移行しつつある。かなりの人気を誇るマックの裏には日本的経営だけでない鋭い経営者の姿があった。