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自由学園/遠藤新、遠藤楽
五十嵐氏もいっていたように、この学校には正面性がない。その点では学校というよりも公園のようで心地の良い、隔離されたサンクチュアリのような存在だ。ライトから確実に受け継がれた大地との接続性、身体性を感じることができる。
ほとんどが平屋で構成されており、連続したランドスケープの流動性はアメリカの広大な敷地で大地とプレイリーハウスで一貫して構築された関係性であるフローティングスペースを敷地全体で実現している。さらに、その水平性のある建築群のメインプログラムである教室などとは対照的に男子部の体育館や女子部の食堂には垂直性が持ち込まれ、流れるような空間体験に心地よいコントラストを示している。
自由学園初等部 遠藤新
シンポジウムが行われた場所だが、普段は1クラス40人の計240人が集まり、食事をする場所であるという。椅子が凝ったもので遠藤自身の作品かと思いきやそうではないらしい。しかし、建築に合わせて選ばれているし、学内では4年に一度美術展を開くなど芸術に対しての教育も進んでいるという。宮井氏は「やはり初等部の芸術をみるのが一番いい」という。好きなものを好きなように描き、つくる。東京でもこんな環境で子どもを育てられる環境はある。
自由学園図書館 遠藤楽
自由学園男子部 遠藤新
自由学園女子部食堂 遠藤新
自由学園講堂 遠藤新
自由学園体育室 遠藤新