東京カテドラル聖マリア大聖堂丹下健三

「これが建築の力か」。
日本の巨匠、丹下健三の代表作でもある大聖堂の空間は、モダニズムという時代情勢が建築にとってどれだけ大きな力を与えたか、そしてその力を空間のためだけに最大限に使う丹下自身の才覚を同時に感じさせた。
外観はまだしも、撮影禁止であっても内観などぼくは写真に収められるのか。空間は外部の世界から隔絶され、荒々しいコンクリートの曲面だけで区画された、圧倒的な力をもった「間」なのだから。
すでに空間を超えている。そこには第一義の理由以外、何も存在しない。信仰という1人ひとりの天空への心的眼差しを受け、空間は真っ直ぐに、一本の光に収束させるだけである。