・セシル・バルモンド展

オーヴ・アラップ社のセシル・バルモンドによる展示。形態に関する哲学、ともいうべき言葉の書かれた幕で構成された空間を抜けると、最小限の要素でつくられた大きな空間が現れる。一見するとそれは単に現代的インテリア空間なのだが、よく見ると、それは恐ろしいくらい「緊張」した空間であった。というのも、その空間はX字の金属板と鎖「だけ」で構成されており、接地点が非常に少ないのである。それは自律した構造ともいえるだろう。逆にいえば、どこかが崩れれば全体も崩れてしまいそうな構造体である。重力との緊張関係だけで成立しているその空間を成立させただけでセシル・バルモンドという大きな存在を認識することができる。