・久しぶりの都市遊歩

丸の内へ。今日の目的は家具屋めぐりとある展覧会。



家具屋は丸の内、日本橋と、歩ける範囲内で探した。本当なら原宿などまで出向きたいところだが、そこまで違う物を売っている家具屋に出会ったことがないため、東京駅周辺で。
といいつつ、まずこの散歩日和と休日を堪能するために駅から近代美術館まで歩く。途中、皇居周りをランニングする人を横目に歩いていると、パレスサイドビルが現れる。まだまだ現役のディテールや全体構成を眺めなていると、先に線で作られた動物みたいなシルエットがみえる。アトリエ・ワンインスタレーションだ。今日の目当ての1つ、「建築はどこにあるの」展では、建築家が美術館内にインスタレーションを展示している。展示の挨拶にも書かれていたように、建築の与条件のない状態で思考を先鋭化させた作品群はやはり、建築という含意ある言葉の意味を再認識させてくれる。特に中村竜治氏の「とうもろこし畑」は秀逸。インスタレーションと建築の間ともいうべきか、家具と空間の間というべきか、本来カテゴリーとして縦に割られたものをインスタレーションという横串で貫いたかのような繊細さと大胆さを兼ね備えている。
また、内藤廣氏の赤外線レーザーをボーダー状に天井から床に放つ空間も興味深い。そこではシルクのような布を渡され、その自由な形態変化に伴ってレーザー光線が変形し、布が映像になったかのような不思議な感覚が齎される。ダンサーのイベントがあるらしいが、その美しさが思い起こされる。

一通り堪能し、やっと家具を見に。マルビル、CONRAN SHOPへ。どちらかというとカップや収納小物などの方が充実していた。新マルビルも小さなショップがいくつかあるが、小物をチェックする程度。家具もあるが、やはり棚となると一定の制限があるようだ。この後、日本橋のケユカなどもみるが、途中、ふと思い立ってオアゾへ。松岡正剛のプロデュースした書籍売り場へ。ここの本棚が実は最も参考になった、といえるかもしれない。
しかし、いままでいろいろなところで家具を見てきたが、やはり完結的な物が多い。本というのは増えるものであるはずなのに、その増殖可能性を担保するような商品はあまりないようだ。部分として販売して、それが一個の商品としての性能ももつ、というのはそれだけ難しい。

帰宅し、少し図面に着手。本の大きさのパターンを雑誌、ハードカバー、文庫と3パターンに分け、3:3:1程度にしてランダムに配置。奥行きを設定して少し複雑になりそうで施工も難しそうだが完成品を念頭にやってみる。