昼過ぎに研究室を出て、Tと昼食を共にする。
最近まで仙台に帰郷していたTは、インフルエンザに非常に敏感になっていた。もともと神経質的なところはある男だが、細かいことを言い出すと若干歯止めが利かなくなるところがある。選挙や法令に目が行っていたのか、新聞ではそこまで取り上げられていたと感じていたわけでもなかったので、またインフルエンザか、という感じ。しかしこれからピークが来て、しかも自分の世代も危険性があることは心に留めておきたい。
Tと別れ、東京に向かう。朝から大阪のFが「ARCHITECT 2.0」展などのために日帰りで来ていたからだ。先に六本木についた私は、スタバに入ってAと電話しながら彼を待った。ゆったりと寛容な時間を過ごせる日々をいつまでも続けていきたい。何かを手に入れるために一方のものを捨てるなどということはもうしたくない。今だからこそわかる大切なものもある。全てを自分が集約し、人生として紡がれていく。
Fが到着後、若干の意見を錯綜させてからギャラ間の「カンポ・バエザの建築」展へ。ギャラ間ではいつもこの手の抽象的建築を見させられている気がする。
ギャラ間を出て渋谷へ向かい、大手居酒屋で独房のような席に案内されて飲む。展覧会の内容は共有していたため、伊東建築についてなどから始まり、現在、未来の話をいつも通りする。今まで社会であるとか建築であるとかある言葉を媒介として話していたが、今日はそこそこプライベートの話まで踏み込んだ。Fが私と会うとと身構えるという表現をして、緊張感がでる、といった。それは自分もFに対してはあるが、やはりそれだけでは人間的な付き合いとして十分ではない。いま、このような話ができているということはこの先もしていくということであろうし、それをもっと強固なものとしていくためにも。