日経アーキテクチュア 商空間・インテリアデザイン

すぐSC特集を開く.郊外,デジタルサイネージゲーテッドコミュニティなど,現代的な主題が集まるSCを,批評家,建築家などがリサーチするという特集だ.
東浩紀氏,藤村龍至氏,李明喜氏,浅子佳英氏,速水健郎氏,濱野智史氏といったメンバー.このこのブログでも何度も取り上げさせてもらってる,知の最先端たち.
デジタルサイネージ,郊外,身体性と興味深いテーマが挙っていたが,ぼくが一番に興味をもって読んだのが「公共性」である.これはいま修論に関係しているから,という理由であるが,これまで建築ジャーナリズム上では批評の対象にならなかった商業建築が公共性を生む場として成立した過程にテーマを収束させている.「(こうして)SCは,単なるショッピングの”施設”ではなく,アミューズメントを含む,生活空間の”場”として考えられるようになった」(P66)と編集者・ライターの速水氏がいうように,現代社会において,何も住宅とその周辺だけが生活の場ではないと思う.都市はもはや非日常ではなく日常の一端として成立しはじめているのではないか.まあだいぶ砕くとそういう仮説.
コネクタビリティ,アーキテクチャのレベルでの設計,思い出の基盤としてのSC,プロセスの祝祭性,流通過程を含む商品のディスプレイなど,情報化以前の問題を当時の建築家は考えていたものもある.というか,それが残存の理由になっているのではないかなあと思うのだけれど.
とにかく,情報環境,公共性など,どういう観点でみるにしろ,SCがおもしろい,ということですね.

SCだけなら、トレンディネットのサイトでも見れる。