・東京での再会、シンポ雑感

研究室から東大へ。南後由和氏がコーディネートする伊東豊雄氏や福岡伸一氏の登場するシンポジウムへ。最初は南後氏が出てくるのかと思いきや,どこかで見覚えのある顔が。Diploma 京都でいっしょだったMだ。説明の中にあったようにこのシンポジウムは大学院生が主体で行われていて,その中のメンバーだったようだ。東京に来てから1、2度会っただけだったので活動が見えていなかった。会場では元京都組のHとかとも再会。みな変わりはなさそうだ。
シンポジウムの雑感としては、このような横断的シンポジウムでの意義をやっとこさ把握できた、というところだろうか。それは福岡伸一氏の「細胞をいかに壊すか,その壊し方には数通りある」「壊し続けていく事が新たな層を生む」「生命は自分の秩序を維持するために壊し続ける」という言葉から都市、そして建築の姿を連想できたからだ。
これは建築の時間的思考ととてもリンクする話である。さらにその先に「秩序を維持するため」という目的があるからこその変化であることは、生命が視点としても斬新だということを明示しているようにも思う。しかし、東京に代表される都市は秩序を維持するために変化しているのだろうか。正しく「維持」ではない。エントロピーの増大を促す器になっているだけである。それは人工的な都市に限定すればなおさらいえることである。そこに伊東豊雄氏の「内部に自然をつくれるのではないか」という思考。「人に考えさせる」契機、デバイスとしての建築の可能性としても読むことができる。つまり、開発によって自動的に生成される都市に、人間らしい生活、アクティビティを生み出す現代建築家の命題である。建築側であるぼくにとってはその先が最もな課題なのであるが、ある種の刺激として感化された。
シンポジウム終了後には同じ大学のHが現れ,横浜までいっしょに帰宅。ノリで渡した自分の修論梗概に興味をもったようで、研究内容や就職後の展望をいろいろ話す。横浜でHと分かれ,ぼくは隣の研究室のKたちと飲む約束をしていたので三ツ沢上町へ。同じ研究室のTと、3人で飲む。最終的には不満しかでてこなかったが。