・建築が生む共感の空間

先々週に引き続き、また碑文谷に行き、「ブルジョアボヘミアン」にお邪魔する。といっても今回は二度目と言う事もあり、雰囲気もわかっていたし新しいものを見に行くというよりもそこにいる人に会うためといった方が正しい。
このような経験は初めてではない。大阪にいた頃、「コモンカフェ」という地下にあるカフェに週に何度か行くという事をしていた。最初は地下でいい感じだろうという考えでいったのだが、そこの空間がいいことに加えて、そこで働く人と仲良くなってしまったことに起因する。その人も地下で外気に触れず時間の流れる空間を気に入っていたらしく、割と人の少ない平日などは終日だべるということを繰り返していた(もうやめたので時効)。
この経験はぼくにとって、建築、空間が人の共感を生み、連鎖を生み出すということの根本的な経験になっている。つまり、好きな空間に行くと、その空間が好きな人がいる、という共感の連鎖によってつながりが生じる。といってもここで空間を出会いの場として受け止めているわけではなく、そこでは一人でもいいのである。実際、ずっと本を読んでいた日もある。
カフェでは話すきっかけがあったし、碑文谷の会場ではイベントだった。それを特集したのが今月のカーサブルータスだった。大森ロッヂを初めとしたリノベーションという方法もあるし、東京アパートメントのオーナーが言っていることもそういうことなのだと思う。ますます、個の先鋭化が促されている。リノベーションがリクルートなどによっても推進されているけど、その需要バランスがどこまで行くかがこれからのマーケティングに密接に関係してくるだろう。新築、リノベ、中古と、三者三様でどこに価値観があるのか、消費者も考えないといけない時代。

ぼくは自他共に認める新しいもの好きであるから全部いいと思う。というと変だと思われそうだが、やはり全て新しい要素は含んでいる。形、見方、使い方。まだまだ自分を掘り下げられていないともいえるが。