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建築学生のハローワーク/五十嵐太郎 彰国社 建築学科を出るといろんな職業がある。その中でも、この本は建築を学んだ事をそのまま活かすということを目標にしている。大工やら編集者やら「建築」という言葉を使える職業ばかり紹介している。本来建築学科を…

国境の南、太陽の西 村上春樹/講談社 村上春樹の作品は、これまでいくつも読んできた。他にここまでの速度で読み切れる作品群はない。その度に、小説家としての表面的な才能に驚かされる。外面的には華やかな生活、内面的な共感を容易く得る心象風景。深み…

アトラス―新しい建築の見取り図 ジェシー ライザー, 梅本 奈々子 先月くらいに日経アーキでも海外建築家特集で紹介されていたライザー・ウメモトの建築論。 実作が少ないのであまり知られている方は少ないと思うが、氏はバーナード・チュミに教育を受けた世…

暗い奴は暗く生きろ―リクルートの風土で語られた言葉/生嶋誠士郎 新風舎 多数いるリクルートOBの生嶋誠士郎の本。 うちに講師に来ていた方のブログで絶賛されていたので絶版だったが古本で手に入れる。 元新聞記者という性格が表れるようなキャッチーな小見…

魔王/伊坂幸太郎 講談社 当たり前だが『魔王』には、登場人物がいる。 主人公はといえば、不思議な能力を持つ兄と後々に能力に気づく弟だろう。その周りに数人、登場人物だ。もちろん、この人物たちが物語を構成して行くのだが、それはどこか、他人行儀とい…

ウェブ時代をゆく/梅田望夫 最近では利潤目的でないことの引用またはアナロジーとして使用されることの多くなった「リナックス」。世界中の研究者が新しいOSを作ろうと利益そっちのけでよってたかって進化させ続けた「オープンソース」と呼ばれる参加型プロ…

ビル・ゲイツの面接試験/ウィリアム・パウンドストーン ビル・ゲイツ率いるマイクロソフト社など、シリコンバレーのソフトウェアの大企業の一風変わった面接試験。 日本の就職試験には関係ないと思って楽しむための本として購入したが、そうでもなく、様々…

決壊/平野啓一郎 新潮社 平野啓一郎は、社会学者の東浩紀などとたまに社会学的、表象文化論的な活動を共にしている小説家。デビュー10年目の作品だ。 一つの物語のなかではあるが、現代の問題の多様性がリアリティと共に描かれた力作である。登場人物個人の…

現代アートバブル、いま、何が起きているのか/吉井仁実 光文社新書 現代アートは難しいものじゃないらしい。 美術史の延長上のものとは違い、楽しみ方はひとそれぞれ。建築もそんな風潮だよね。 グローバリズムよろしく、アート作品で大きな金が動き回って…

建築家の自由/鬼頭梓+鬼頭梓の本を作る会 建築ジャーナル 建築家鬼頭梓は日本の図書館建築設計の五本の指に入る人物。前川國男事務所勤務のときには国会図書館にも携わっている。 実はうちの横国の図書館も氏の設計。おそらく理工図書館の方だろう。ホール…

ジャーナリズム崩壊/上杉隆 幻冬舎 日本にジャーナリズムは存在しない。これは極論であろうか? この著者が体験したアメリカの経験に関していればそれは正解だ。ジャーナリスト一人一人の自律性、国家に対する位置、市民のメディアに対する意識。どれもこれ…

メディア・バイアス/松永和紀 光文社新書 メディアの病理というのはなんであろうか。おそらく、一番恐ろしいのは消費者、読者を翻弄する力を持っていると言うことである。それが間違いであったとしても、表象だけを作り出すメディアを見る消費者も表面的な…

マスメディアとしての近代建築/写真カメラ・オブスクラのモデルの図式は、本来は透明な表象である。しかし、ジガ・ヴェルトフはスチール写真において二つの現実の表象つまり二つの物質的痕跡あるいは二枚のスチール写真を重ね合わせ、新たな現実を生産した…

ブログがジャーナリズムを変える作者: 湯川鶴章出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2006/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (19件) を見る

マスメディアとしての近代建築/都市 鉄道の発達により場所性という特性を失ってしまった都市は、近代人と同様境界のため、つまり他律的行動による仮面をつけることで差異化される。これはクラウスの事件と新聞、ソシュールの音声と文字、そしてロースの建築…

マスメディアとしての近代建築/アーカイヴ 「近代建築」とは何か。 この論文は近代建築への移行を記すものである。 建築は固定された壁による定義から秩序の展開する映像による定義に移行した。つまり、情報化によりプライヴァシーなどの問題が多発する中、…

東京から考える 東浩紀、北田暁大 東京を歩き、住んだ身体的な経験から発展させる東京の都市論。 郊外、格差、個性など現代都市の根底にあるものを検証する。対談形式であるので、読みやすい。 近代都市の形成が自動車や都市計画など物理的なものが関与し決…

思考の整理学/外山滋比古 この本に記述されていることは、生きていく、あるいは思考をする上で人が当たり前に行っていることだ。何かの目的のために思考を整理するための方法を一般化(整理)し示してくれている。日常的に行っていることを「本」という体裁…

CSR入門―「企業の社会的責任」とは何か/岡本 享二 「CSR(Corporate Social Responsibility)」という概念は業種、国によって様々である。情報化を背景に企業倫理などを含む概念ではあるが「企業の社会的責任」と訳されるこの語の最大の射程は、地球である。…

スプートニクの恋人/村上 春樹 この世の中は実際的なものででしかできていない。 例えば、入学手続き。 このような実際的な雑務に追われ何も見えなくなることを人は人生というのだろうか。これに没頭できる、すなわち仕事をすることが楽しければ人生は楽し…

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉/村上春樹 「羊をめぐる冒険」の続編的小説。 あいかわらず日本の経済構造に巻き込まれるのを冷めた目線で見ている主人公は自分と重ねやすい。 『「こっちの世界」で生きるためには踊り続ければならない。』全くその通りだ。何…

火車/宮部みゆき 久しぶりに宮部みゆきを読む。まだ途中だが、現在の法や社会事情を徹底的に分析しそれをひも解くように立ち上がってくるストーリーはミステリーとしてかなりのリアリティがある。 H君の卒計にはこんな感じのイメージがある。

WHAT IS OMA―レム・コールハースとOMAについての考察/ヴェロニクパテヴ OMA、AMO、レム・コールハースについての批評集。 建築以外の専門の人物の批評がある時点でコールハースの多角的な行動が窺える。同時に、そのことは時代が注目する21世紀の人物とされ…

日本建築史序説作者: 太田博太郎出版社/メーカー: 彰国社発売日: 1989/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る日本建築史の古代から近世まで、概要をまとめた書物。流れを把握するためだけにはちょうどよい読みやすさ。

図説 西洋建築史作者: 陣内秀信,中島智章,横手義洋,渡辺道治,太記祐一,星和彦,渡辺真弓出版社/メーカー: 彰国社発売日: 2005/03/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る通史として古代エジプトから新古典主義まで紹介…

テキスト建築意匠作者: 平尾和洋,大窪健之,松本裕,末包伸吾,藤木庸介,山本直彦出版社/メーカー: 学芸出版社発売日: 2006/12/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見るその名の通り教科書用に作られた書籍。様式を脱した近代建築からの歴史を少々…

現代建築に関する16章 〈空間、時間、そして世界〉 (講談社現代新書)作者: 五十嵐太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/11/17メディア: 新書購入: 4人 クリック: 116回この商品を含むブログ (58件) を見る現代建築に関する批評。現代建築家の理論もわか…

現代建築史作者: ケネスフランプトン,Kenneth Frampton,中村敏男出版社/メーカー: 青土社発売日: 2003/01/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (8件) を見る